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なぜすそ野が広がる?*販売のクロスオーバー戦略*

クロスオーバーとは、「互いの境界線を越えて交じり合う事。ジャンル、ストーリー、分野、特性などが混じり合うこと」(wikipediaより)

花は花屋で買うというのは当たり前ですよね。

お店じゃなくてもスーパーやホームセンターなどの花売り場で買うのも当たり前。

共通しているのは、あくまでも花屋が運営または携わっていること。

この販売経路に最近変化が訪れています。

以前ご紹介した「ユニクロフラワー」が代表的なもの。
「新感覚*ユニクロのフラワー戦略~思ってたよりもスゴイ~!」

上記の記事以降、ユニクロフラワーは売り上げをどんどん伸ばし、店舗展開も増えて非常に花販売に対して積極的になっています。

ユニクロは世界的大企業なので、店舗も多いし、ほとんどがその地域最高の立地条件の場所に展開しているため、路面展開が必須の花販売には非常に強みがあります。

また、ユニクロのように立地条件が最高、とは言えないコストコでも、花の売り上げはどんどん増えている。

コストコの場合はたくさん安く買いに行くという目的が主流ですが、買い気の旺盛な人が集まるのでついで買いの割合が多いのかと思います。

ほかにも異業種とコラボする花販売が増えてきているし、これからもっともっと増えていく予感。

これを私は「花販売のクロスオーバー戦略」と名付けてみました。

既存の花販売マーケットだけで集客するのではなく、異業種とコラボすることで異業種の集客力を味方につけて伸びていくし、異業種のほうも「花」という商品展開により既存客はもちろん、新規客の集客も見込めるし話題性も大きくなります。

つまり、それぞれの強みを生かした展開により、どちらにも利益が生じ、しかも買う人にとっても満足感が高いという販売戦略なわけです。

これによって、花き業界にもいいことが。

それはすそ野の拡大です。

市場規模マップ、覚えてますでしょうか。

この中で花き業界は目を凝らして探さなくてはならないくらい小さい。

いつも話すのですが、そんな小さい業界内でいくら花の需要を高めようと声を上げたり、宣伝したり、企画したりしたとしてもかけられるお金は限られています。

業界からのトップダウンでできた企画やイベントや啓蒙活動がダメだと言っているのではなくて、ハードをいくら充実させてもこの30年間花の需要は下がりっぱなしでしたよね。

もちろん30年前の異常なバブル期を起点にして考えるのもフェアじゃないと思うのですが、いずれにせよ業界主導での需要拡大はちょっとむつかしいってことがわかった。

じゃあなぜ今からすそ野が拡大していくと思ったのかというと、トップダウンではなくボトムアップのチャンスが到来したからです。

大型異業種の大量販売が進むと、これまで花に興味を持たなかった人たちの意識が変わります。

花業界からの情報は花に興味がある人には響くけど、そうではない大多数の人たちにはスルーもしくは対象外という位置づけだったのではないでしょうか。

花からではなく花以外から花に興味を持つ人が増えるって、これこそがすそ野の広がりっていうものですよね。

もうひとつ、2019年まではどんなに花き業界が頑張っても、業界内での頑張ろう!に偏っていたと思うのですが、2020年からの社会変化によって、環境の変化がもたらす個人の価値観の変化から、「花っていいよね」と自らが花を飾ることの充実感やいい気分を体験する人たちが増えた。

業界が30年頑張ってもなかなかむつかしかったすそ野の広がりが、「おうち時間」というキーワードで忙しいよりもゆとり、お金より時間、家で過ごすことを大切に思う、ということが本当にできるようになってしまったことって、ものすごく大きい。

意識を根性で変えようとしてもなかなか大変だけど、環境を替えればいともたやすく意識って変えることができるんだなと、妙に感心しているこの頃。

いずれにしても、花を個人で楽しむ人はこれから増えていくし、気軽に便利な場所で購入できる機会も増えていくだろうし、低価格のサブスクを手掛ける会社も増えています。

販売のクロスオーバー戦略、これからもっともっと発展していきそうですね^^

 

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