2017/02/20
売れる花屋になるために~無駄のない仕入れが利益を生む~
利益を出すための仕入れ
花を仕事にしたときの最初のハードルが仕入れかもしれません。
これができないと店に並べるものもないし魅力的な品揃えもできない。
店に商品を並べたり素敵な花をそろえたりすることは実はそれほどむつかしいことではありません。
資金さえ潤沢にあればたくさんの素敵な花を仕入れることはできるのですから。
ただ、それだと仕入れというよりお買い物。
お買い物って要するに消費行動です。
仕入れがお買い物にならないために何を気をつけていけばいいのかをあげてみました。
花は生鮮品
花屋は生花を販売します。
生花は生ものですので商品寿命のサイクルが非常に早いです。
当然仕入れも週に2~3回は行います。
市場で仕入れて店で販売して、お客様のお手元に届いてから約1週間くらいは楽しんでいただきたいですよね。
ということは先週仕入れた花はほとんど使えないということ。
もちろん花の種類や季節によりますが。
仕入れ計画が立っていなければせっかくの花が売られることもなくロスになってしまうことだって考えられます。
たとえば魚や肉などの生鮮品なら冷凍保存が可能ですし野菜なら漬物や惣菜など二次的な商品を作ることも可能です。
しかし花はそうではありません。
新鮮なときだけが商品価値があるのでその点では特殊な商材といえるかも。
花は鮮度が命だもんね。
こまめな仕入れは大事だけどペースや量の目安がないと
仕入れすぎて困ることもあるね。
仕入計画で利益が変わる
店を始める前に仕入計画を立てることをオススメします。
これは店を始めたあとでもずっと継続していくものなのでできるだけ早い時期から習慣にするといいでしょう。
まだどのくらい売れるかわからないのに仕入計画なんて立てられないよ、、と思うかもしれませんが、実は売れていないからこそ仕入計画が必要なのです。
もし、仕入計画なしに市場に行ったらきっといろんな花に目移りしてしまい好きなものをなんとなくこのくらい必要かもねって感じで仕入れてしまうことになる恐れが。
1度や2度ならいいですが毎回ですと月額の仕入れ金額の差は非常に大きなものに。
しかも何度も言うように花は生鮮品ですのでたくさん素敵な花を仕入れたからといっても買っていただかなければ結局は廃棄することになり、ロスも生じますし廃棄する費用もかかってきますし、なんと言っても胸が痛みます。
もし、販売力や集客力があっても仕入れのロス率が高ければ結局利益は少なくなるし、それどころか月末に締めてみたら結局赤字になってたなんてことだってよくある話です。
花は商品寿命が非常に短いという特殊な商品だということを肝に銘じましょう。
「好きなことを仕事にしたときの弱点~買い物と仕入れの違い~」
仕入計画の立て方
では、花の仕入計画の立て方です。
もしまだ販売経験がなくても年間の売り上げ計画を立てましょう。
これは店の特色をもとに一年のイベントや行事をベースにして1ヶ月の売り上げ予想を立てるというものです。
ギフト販売が中心の店
クリスマスなど一般的なギフトシーズンや母の日など花屋ならではのギフトシーズンに売り上げの山をつくります。
教室運営中心の店
4月や10月など年度替りのタイミングや教室の発表会など大きなイベントに売り上げの山を持っていくことができます。
ディスプレイ中心の店
季節の変わり目やイベント時に山ができるしウェディング中心の店でしたら春・秋の婚礼シーズンが大きな山場になるでしょう。
年間売り上げ予想の山ができたら今度は谷を考えます。
一般的に花の仕事は夏場は開店休業状態になることが多いのですが、仏様の花に力を入れている店ならお盆はかきいれどき。
谷も店の特徴に合わせて考えてみてください。
山と谷ができたらそのほかの月は日々の販売が中心になりますので、毎日どのくらい売り上げたいかで月々の売り上げ目標を立てていきます。
あまり複雑に考える必要はありません。
単純に自分の店の強みをベースに12ヶ月の売り上げ目標を大まかに立てればOKです。
さて仕入計画ですが、この月別年間売り上げ目標をベースにまず月ごとの仕入れ金額を決めます。
その後月に何回仕入れをするか、また、イベントがある月はどのタイミングでたくさん花を仕入れるかで毎回の仕入れ金額を決めます。
順番をわかりやすく書くと
月ごとの仕入れ金額を決める
↓
ひと月の仕入れ回数を決める
↓
カレンダーに仕入れ日を記入
↓
それぞれの仕入れ予算を決める
と、こんな感じです。
カンタンでしょ。
これでいいのです。
たとえば、
年間の売り上げ目標を3000万円とします。
1月100万・2月200万・3月300万・4月200万・5月600万・6月200万
7月100万・8月100万・9月300万・10月200万・11月200万・12月500万
と、ざっくりと月ごとの売り上げ目標を設定します。
そして、
1月の仕入れ計画なら、100万円の売り上げを31日間のどこでいくら上げるかをカレンダーに記入します。
金額が決まったらその週の合計金額を出し、たとえば1月2週目の売り上げ目標が20万円だとすると、2週目の仕入れ予算は5万円くらいと設定します。
あ、これはお店によって掛け率が違いますのであくまで目安です。
複雑に考える必要はありません。
とてもカンタンなことですが、これがあるのとないのとではお話にならないくらい1年後2年後が変わってきますよ!
花の仕事は年中行事に左右されることが多いから
かえって計画が立てやすいわね。
いい仕入れ悪い仕入れ
計画ができたらそれに沿って仕入れをします。
といっても市場に行ったら今しかない素敵な花が並べられているかもしれません。
花は非常に気温や天候に左右されます。
去年の同じころ仕入れた花が今年のその時期に仕入れられるとは限りませんし、反対にほしかった花が季節より早く手に入る事だっておおありです。
仕入計画はあくまでも金額的な目安なのでどうしても今仕入れなければ手に入らない、しかもその花は必ず売れるし喜ばれると思うなら計画より出費が多くなっても仕入れるべきです。
調整は次回でもできます。
要するに花の仕入れは出会いものでもあるのです。
そして、仕入れる側が感動したり心が動いたりした花はお客さまも喜んで買ってくれるものだったりするのです。
この感覚は何よりも大切にすべきです。
いい仕入れとは市場で素敵な花に出会うこと、そしてほしいと思うものを冷静に理性的に仕入れることだと思っています。
では、悪い仕入れってどんなんでしょう。
一言で言えば欲望のままに買ってしまう行為とでもいいましょうか。
要するにお客様のためでも自分のためでも店のためでもなく、欲しいという気持ちだけでお買い物してしまうことですね。
この場合、仕入れが終わって店に帰ったらそれまでで販売につながることがほとんどないのが特徴です。
「そんな仕入れ方するわけないよ」と思うかもしれませんが、実はこのような仕入れ方をしている人のほうが多いのですから十分気をつけることをオススメします。
市場で勢いにまかせて買っちゃったことあるな~。
ほしいと思ったらつい、金額を考えずに競り落としてしまうことも。
反省の種はいろいろだな。
仕入れるところ
仕入れは市場で競りで入荷します。
それではロットが大きいなという場合は仲卸で最小ロットで買うことができます。
市場の場内に中卸が入っていますので、競りが終わったあと見繕うこともできます途中で買うこともできます。
基本的に仲卸で買う場合は花の値段プラス10%が手数料として上乗せされます。
市場も中卸も基本的に現金払いですが、市場の場合は買参人登録をすれば月払いでの支払いが可能な場合もありますので取引を始める市場に問い合わせてみてください。
*市場や中卸によって条件設定は違います。
東京ですと大体7時に競りが始まります。
季節やイベント時によって違いますが遅いと終わる時間がお昼ごろになることも。
仕入れた花を積み込んでそれから店に戻るのですからよほどのことがない限りできるだけ近くの市場が便利かと。
とはいえ、前日にネットで仕入れを済ませてしまうこともできますので競りの当日は花を取りに行くだけという事だって可能です。
この場合、ネットでは産地と品種でしか花がわからないのでちょっとハードルが高くなります。
いずれにせよ仕入先とは長くお付き合いできたほうが何かと有利ですので、自分のライフスタイルや店の特徴や付き合いやすさを踏まえて仕入先選びをするべきですね。
市場を探したい場合はこちらで探すことができますよ。
一般社団法人 日本花き卸売市場協会
まとめ
・仕入計画を立てていますか?
・自分に合った仕入先を選んでいますか?
・市場の担当者とのおつきあいはできていますか?
・仕入れがお買い物になっていませんか?
・ロスがゼロになるような仕入れを目指していますか?
「自分の感動が花を通じてお客さまに伝わるっていうわけだニャ。
とはいえ計画的な仕入れができないと
お金がいくらあってもたりなくなるニャ」
疑問・質問・感想など、こちらからお気軽にどうぞ^^