2021/04/130 Shares

とくし丸に学ぶ~欲張りすぎないしくみ~

「とくし丸」ってご存知ですか?

2012年に徳島県で創業し、20年には全国47都道府県すべてに展開している移動スーパーで、現在月間流通額が13億円という規模。

地域のスーパーが加盟店となり、スーパーの従業員が販売するのではなくドライバーは個人事業主としてかかわっています。

私が「とくし丸」すごい!って思ったのは、まさにかかわるすべての人たちにとっての利益を考え、欲張りすぎないビジネス展開をしているところ。

かかわるすべての人というのは

*買う人=交通の便が悪い地域の買い物難民と言われる高齢者
*売る人=ドライバーは個人事業主
*商品を提供する人=地元のスーパー
*買う人の周りの人=とくし丸、高齢者の親族、その周りの小売店など

ざっくりこの四つ。

昔から移動販売という仕組みはありましたが、個人でモノを販売しに行くというだけではなくそれ以上の三方よし、いや四方よしというところが今にピッタリで急成長なんだと思います。

企業理念が一人勝ちでなく全方位勝ちなんですね。

たとえば、向かうべき地域の半径300メートル以内に既存の個人商店があるところへは立ち入らないというルールがある。

また、すべての商品にスーパー価格の+10円で販売し、スーパーとドライバーが5円ずつ分け合う「+10円ルール」もいいアイデア。

買う側にしたら割高感があるかもしれないが、わざわざバスやタクシーに乗って交通費と時間を使って遠くのスーパーへ買いに行かなくてもいいのだから、けっして高いわけではありませんね。

この「とくし丸」の成功の要、私は「ドライバー=個人事業主」だからじゃないかなと思います。

昔の移動スーパーは、スーパーの従業員が販売していたので撤退が続きうまくいかない場合が多かった。

それは、たぶん、しくみ以上に販売者と購入者の関係構築ができていなかったからじゃないかなと。

「とくし丸」のドライバーにとって販売している地域住民は自分の顧客です。

そこで長く利益を上げていこうとしたら、やることはひとつ。

関係性の構築です。

現に、とくし丸のドライバーは、ついつい買い過ぎる高齢者には「そんなに甘い物買ったら体に悪いよ」とか「また来るから買い過ぎないで」など、声をかけているという。

確かにたくさん買ってくれたらそれだけ売り上げも上がるでしょうが、長く続かないとそもそも意味がありません。

今、目の前の利益を目的とするのではなく、正しいこと、相手のためになることを続けることで結果的には自分に返ってくるという意識。

これ、まさに私達の場合ですと「顧客リストの活用」なんですよね。

顧客リスト=購入者ですから、その人たちを意識してどう関係構築をしていくかっていうことです。

関係構築って、正直とてもめんどくさい事の積み重ねです。

しかし、とくし丸のトライバーが、買いに来る人を気に掛けて声がけすることによって待ち遠しいと思われる存在になり、固定客が増え、収入が増えているという現実を見ると、ホントに目先の売り上げではないな、と思います。

あと、これは夢想ですが、これからは花の移動販売を本格的にやるのもいいかもしれません。

昔は実店舗を持つことを目標に、まずは移動販売で稼いでから。。という順番でしたが、人々の生活様式や移動の仕方、流通経路などがものすごく変わってきているので、今からは逆に来てもらうより売りに行く方が伸びるかも。

リアルに人を集めることが困難になっている時代、考えようによってはあたらしい展開になるかもしれません^^

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