2017/06/04
売れる花屋は花を売らない~お客さまが求めているものは~
いろんな花屋さんと話す機会があります。
で、よく耳にずる言葉が「素敵ね!って言われるのにどうしていっぱい売れないんだろう。。」というもの。
お店によってそれぞれの特徴がありますが、各店素敵なお店なのに、です。
お客さまの求めているものは?
花屋を始める人の多くは「花が好きだから」「自分の店を持ちたかったから」「自分のセンスで勝負できるから」「家が花屋だから」「花の学校を卒業したから」などなどさまざまな理由があります。
そんな店主のお店には、それぞれの好みやテイストに合った花が仕入れられ上手にディスプレイされている。
そして、それぞれのお店の感性に惹かれたお客さまがついてきてくれることが多いのですが、それだけではお店は成り立っていきません。
新規集客が大事だし、そこからリピーター、ファンへと育てていって確実にその店の顧客といえるまで持、来て頂くのを待っているだけではちょっと無理。
センスがよければいっぱい売れる?
今、センスの悪い花屋さんをさがすほうが大変なくらい素敵な花屋さんは多いです。
花はビジュアルでの第一印象が勝負なので、アレンジや花の組み合わせの感性はとっても大きい武器となります。
しかし、確かにセンスがよくておしゃれなアレンジを作っているのにもかかわらず「売れて売れて仕方がないわ~」という言葉を聞いたためしがない。
ということは、センスがいいだけではお客さまに選んでいただく強みとしては弱いってことですね。
品揃えが多ければいっぱい売れる?
流通が発達しているおかげで、花の種類も都会だから多いとか地方だから少ないとかって昔ほど差は感じられません。
東京など都市では駅ごとに構内にいくつも大型店舗の支店が軒を並べていたりします。
どの店舗もとってもたくさんの種類をそろえて、数だってたくさん。
とはいえ、内情を聞いてみると「ロスが多くて大変」「作業が多くて仕事が終わらない」など問題点のほうが口に出て、「おかげさまで毎日すごい売り上げです」って言葉は聞いたことがありません。
郊外の広いスペースで駐車場も完備している大型店だって、確かに品揃えは豊富だけど同じように「儲からないよ」って言う。
ということは、品揃えが多くてもお客さまが買うという行動には結びつきづらいってことですね。
「たくさんの中から選びたいときもあるけど、花のことあんまり知らないから感覚があう店におまかせしたいんだよね」
立地条件がよければいっぱい売れる?
商売の原則のひとつに立地条件のよさがあります。
たしかに立地条件がいいのにこしたことはありませんが場所によってよしあしはずいぶん変わってくるので、まあ、駅前とかだけじゃなく人がいつも集まってくる場所というのが立地条件のよい場所ということに。
乗降客の多い駅前で店舗を構える方は「来店が多いのはいいけど時間によってお客さまが集中するのでチャンスロスも多いんだよね」と話してくれました。
チャンスロスをなくすためにはその時間帯のスタッフを厚くしておく必要があります。
または、お客さまが集中するときすぐに売ることができるようなつくり置きの商品をたくさん並べるとか。
また、立地条件のいい場所はテナント料が高いという現実も。
流通が発達している昨今ではネットでの通販や電話やメールで注文して配送するなど、直接来店しなくてもお客さまは花を買うことができる。
店舗を持たずにネットでの通販のみで花のギフト受注をしている店はそもそも立地条件は関係なく営業していますね。
「絶え間なくお客さまは来てくれるんだけど、作業も多くて花を見ている時間がないときあるわね」
値段が安ければいっぱい売れる?
消費者にとって商品は高いよりも安いほうが買いやすいのはあたり前。
安い花を売っている店は「カジュアルフラワー」という名称で販売していることが多く、スーパーやホームセンターなどで束売りをしていたり、駐車場完備の郊外型の店で大量に販売しています。
ここ20年くらいでスーパーでのカジュアルフラワーの取扱量は3倍に増えて、花を買う場所が花屋ではなく大型量販店で買い物のついでに買っているということが現状です。
とはいえ、一般の花屋がスーパーのような大量仕入れ、大量集客、大量販売ができるわけもなく、単に値段を安くしたからといっていっぱい売れるとは考えられない。
そもそも小売店は価格では大型店とは勝負ができないのです。
「そういえば、わざわざ店に来てくれるお客さまはあまり値段の話しないな」
広告を出せばいっぱい売れる?
新規集客をしようと思ったら広告はとっても重要なアイテムです。
ただ、広告費って高い。
しかも見当違いの媒体に出稿すると客筋とは程遠い人が一見で来て結局リピーターにはならないで終わることだって怖いけど、あります。
広告は確かに効果的ではありますが、これを最大限に有効化するのなら体制を整えて計画を立てて決して思いつきで出したりしないようにしないと逆効果。
何の準備もなく受注が多くなってしまったらミスとロスが多くなるのは火を見るより明らかです。
結果、いっぱい売れても次につながるどころか評判を落としてしまう上に赤字だったなんてことも。
「キャンペーン広告出したらいっぱい来てくれたけど普段のお客さまが遠のいちゃったわ」
選んでいただくために必要なこと
では、どうすれば売れる花屋になれるのでしょうか。
お客様はその店で花を買ったという満足感と、それを差し上げたときの相手の感動や喜びを想像したいはずです。
センスや品揃えや買いやすさなどは条件として大切ですが、そんな条件を満たしている店はものすごくたくさんたくさん余りあるほどあります。
そんな数多くの花屋の中から自分の店を選んでもらうには、お客さまが本当に望んでいるものとは何かということを知っておきたいものです。
繰り返しますが、お客さまは花屋で花を買うのは当然だと思っていますのでそれ以外の部分を満足させてあげる必要があります。
その一部分として、イメージが膨らむ店づくりや商品構成、そして早いレスポンスや的確なアドバイスなどが。
もちろんこれはほんの一部です。
しかし、こういったことをしっかりやっている店は立地条件が悪かったり広告が出せなかったとしてもしっかりとリピーターをつくってファン化しているので売れているという実感も感じることができています。
たくさんの店の中から「あなたの店に頼みたいから」というチョイスをしてくれるお客さまを増やすには。
花屋である以上、お客さまは花は満足するんです。するはずです。
ということは、花以外のどこか素敵な部分が決定的な選択基準になるということ。
あなたの店が誇れる素敵な部分、ぜひ磨き倒してください。
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まとめ
*花屋である以上花に関してレベルの違いはないはず
*花そのもの以外でお客さまに選んでもらう素敵な何かが必要
「そうか。お客さまにとって花を売っていたらそれはどこでも花屋。
そのなかでもこの店じゃなければと思われる花屋に
ならなきゃいけないのよね!」
何かわかりづらいこととかありましたら、お気軽に問い合わせまたはコメントしてくださいね。
母が花屋を経営していますが、立地条件が悪いせいもありお客さんが来店されず一日3000~5000円の売上げもあるとのことです・・・
近くに花屋は他に2店舗ほどあります。
客層はお年寄りが多いようです。
住宅地の中にあるため一見さんはほとんど来店されません。
お店の特性としては「消費税をもらっていないこと」です。
他に特性を付加価値をつけたいようなのですが・・・
他店のまねをしても二番煎じのようになりますし・・・
ネット通販なども利用すればいいんでしょうか?
メールアドレス間違えていたので再送いたします。
コメントありがとうございました。
立地条件の善し悪しはどのような形態で販売しているかによって大きく変わってきます。
たとえば、地域密着型の店舗であれば、お客様の利便性が非常に重要になるため
集客力のある立地が前提です。
また、ギフト中心で地域密着というよりも全国各地へ配送するタイプの販売中心ですと、
立地条件が良くなくても大丈夫ですが発信による集客力が必要になってきます。
お母様のお店が得意としているアイテムや特徴などはいかがでしょうか。
自店でできることで、しかも無理なく楽しいと思えるようなアイテムや特徴が見つかれば
たとえそれが他店でやっていることであっても、二番煎じにはなりません。
二番煎じやものまねというものは、自店で考えることなくその形態を模倣するということですので
同じ事をやってもオリジナルと二番煎じとは、そこに至るまでの順番が違うのです。
ネット通販も店舗運営と同じです。
まず、自店が何を得意として販売をするのか、訴求性のある商品をもっているのか、
などが明確でないと、大海に小さなボートで羅針盤もなくこぎ出すようなことになってしまいます。
まずは、お店の特徴、得意な商品などをピックアップして、
そこからお母様の店がほかの店よりも際立つものをみつけるまたは作っていくことが
大事かと思います。
簡単ではありますが、ご参考になればと存じます。