2016/09/050 Shares

夏の花の配送~クール便はありかなしか?~

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くなると生花の配送はとても神経を使います。

とはいえ、なまものですから気の使いようにも限度はある。

よく尋ねられるのが「クール便で送ればいいのでは」ということ。
確かにクール便ですと暑さの脅威からは逃れることができます。
しかし、反対に冷やされすぎて花がしおれてしまうってことも。

そもそも、花の管理温度は15度がいちばん適温とされています。
もちろん品種にもよりますが、一般的なバラやガーベラなどの花物の場合。

レモンリーフやドラセナ、谷渡りなど、丈夫なグリーン類や
熱帯原産の花、たとえばアンスリウムやランの種類は
20度以上、25度を超えても元気だったりします。

ほとんどのお店が一年中バラやガーベラなどを仕入れています。
さすがに夏は需要が減るといっても、店内にはやはり
華やかな色がほしくなるというもの。

店頭販売で持ち帰る場合はそれでも大丈夫かもしれませんが
ギフト配送として翌日または翌々日到着で花をアレンジするとなると
暑い時期のバラやガーベラは無理というもの。

とはいえ、バラやガーベラを使わなかったらアレンジとして
寂しくなって、お客さんの期待にこたえられないのでは。。
と、憂慮して、それならやっぱりクール便使わないと。。
というわけで、アレンジをクール配送にしたりするわけでしょう(推測)。

推測、、というのは、うちでは、あ、うちってパルテールってことですが、
開店以来26年以上、夏の配送にクール便を使ったことがないんです。

その理由は

1.夏の暑さに弱い花を届けても、届け先で元気がなくなるのでは。

2・夏の暑さに強い品種を仕入れてアレンジすればよいから。

3.大き目のアレンジを梱包したものは、そもそもクールボックスに入らない。
 (120cm以下なので、単価の低いものが中心になる)

4.クール便の温度は0度~10度設定なので冷えすぎる。

5.配送地点の営業所などで積み替えられるとき、温度差が出る。
 (切花は温度差によるダメージが大きい)

まだほかにもあるのですが、大きくこの5点ですね。

そもそも、花を贈るってことは、届いたお宅で楽しんでいただくためのもの。
ということは、届いたお宅ですぐに元気がなくなってしまうと
なんだかとってもがっかりです。
一度しおれてしまうと、元の元気を取り戻すことはまず無理。

そういった視点から考えると、ベストなのは
「お届け先できれいな状態でしばらく楽しむことができること」
ですね。

なので、ずっと夏場の配送は、できるだけこまめな仕入れと
できるだけ暑さに強い品種を選んでお届けしているわけです。

となると、どうしてもバラとガーベラなどの華やかな色合いの
組み合わせってのができない。

でも、一年中同じような華やかさを求める必要性を感じないので
うちでは「季節の花」にこだわって、よしんば今の時期のオーダーで
バラとガーベラを入れてというご希望があっても
理由をお伝えした上で、季節の花でお任せさせていただいています。

あ、バラといっても暑さに強い品種もあるし、天候や気温で
送ることができる場合もありますので、100%ではありません。
念のため。

ウェディングブーケなどはほとんど直接お届けや引取りが多いので
バラやガーベラやかすみそうやダリアなど、夏の配送はコワイなと
思う花でも使ってますが。

なので、
花の品種をしっかりチョイスすれば、真夏でもお花は配送できます。
現に、8月のお盆はかなり需要が多い時期だし、
生花をお供えする場合が多いので、結構お送りしています。

あ、すみません。
夏場は九州へのお届けはいったん止めさせていただいてはいます。
これは冬場の北海道へのお届けと一緒で、翌々日のお届けだと
さすがにちょっとむつかしいから。

というわけで、夏場のクール便はありかなしか?
なしですね。

ナシでいいのではないでしょうか。
だって、冷えすぎるし。
クールボックスで0度~10度って、普通の冬場の店内の気温より
低いから。

で、その花がお届け先で飾られた場所が30度まで上がったら?
人間でも気温差20度~30度って、体調崩しますよね。
花ならもっとダメージでしょう。

もっといえば、送る前の状態が20度ぐらいの場所で、
車中も25度ぐらいまでで、お届け先での飾られた場所が
30度以内だったら、花のダメージは単純に10度以下。
それも急激ではなく、丸一日かけての気温差です。

花も人間も感じることは同じです。
もともと素質があるとか(この場合は暑さに強いとか)
環境が徐々に変化していくとか(この場合は1日かかってとか)
という感覚って大事だと思うのですよ。

まあ、とはいっても感じ方は人それぞれ。

以前オーダーをいただいた方は、もたなくてもいいから
バラとかすみそうでのアレンジをご希望でした。
説明してもそれでいいとのことなのでしたが
プロ(あえてそういわしていただきます)の目から見て
どうかんがえても真夏のそれは無理です。

結局、花キューピットのような現地の花屋さんから届けて
もらえるような手配をさせていただきました。

ホントは、配送業者のクール便がもっと温度設定が高くなって
(15度前後とか)
花専用の配送車があればいちばんいいんですけどね。

以前、配送会社の本社に問い合わせてみたことがありました。
「お盆の花の配送需要ってかなり多いので、その期間だけでも
花の配送に特化した車両を用意してもらうことってできませんか」
って。

返事は「今のところ考えていません」
とのこと。

まあ、そりゃそうでしょう。そうでしょう。
でも、そのくらいきめ細かく配送設定してくれたら
もっともっとたくさん流通させることって可能なんだけどな。

もしかしたら、花以外にも需要はあるかもしれません。
あ、動物とか。
そういうのは特殊になるのかな?

何はともあれ、なんでも一年中同じ状態で仕事ができるとは
考えないほうがいいかなって思ってます。
とくに生花はね。

そのためには、自分の商品がいちばん活かされる状態とは
どんな状態なのかをイメージして方法を考えることが大事だ。

ご依頼主様にも先様にも喜んでいただけるには?

ただの中間業者にならないために、花の品種や産地、
原産地、そして管理のしかた、などの知識や目利きは大切。
そしてなによりクールだからといって花がもつという幻想を取っ払うこと。
(クールで本当に納得できる理由で花の状態をキープできるというのなら
その話聞きたい。今までまだ納得できたことはないが)

とにかく、
お客さんは届いた花を楽しむことができるのがいちばんうれしいはずなんだから。
そこから方法や手段を考えたいものですね~^^

 

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