お店で使える花の雑学#5~お供えにバラで悩んでいたら~
お供えのご用途の時、バラは使わないって言われてますよね。
私も最初は「ふ~ん」と思ってましたが、なんだか意味も分からず使えないっていうのもいやなので、調べたことがありました。
結論から言うと、「どうでもいい」のひとこと。
そもそも、亡くなった方へ花を手向けるというのは古代エジプトの遺跡からヤグルマギクが出てきたことや、縄文時代の遺跡からも亡くなった人に花を供えた跡があることからもわかるように、身近な人の死を悼む気持ちのあらわれでした。
それが、時代が進むとともに人間が一生を送るうえでのこまごましたことが、すべて職業とつながるようになりました。
お金を介するようになると、独占するために制約を設けたり、先行者利益を得るために画期的なアイデアを生み出したり、タブーを作ることによって限られた商品を販売できるようにしたり、と、ビジネスが発達してきます。
花も同じ。
特に葬儀は花をたくさん使うので、使いやすい花、保存しやすい花、大量入荷しやすい花、などなど、便宜上限られた種類にどうしてもなります。
で、バラなんですけど、私が聞いたときは「とげがあるから」と言われたんですが、実際店ではバラのとげってとりますので、「??」って思ってそう言ったら、「お供えにとげがあったら亡くなった方に失礼だから」と言われて、また「??」となったのでした。
どうしても腑に落ちなかったのですが、亡くなった方はわからないと思うので、結局周りの人の便宜上なことなんだなと理解しました。
ですよね。
扱う側にとって、葬儀のような短い時間にたくさんセットしなききゃならないときに、手間のかかるバラをたくさん扱うよりは、菊やユリのほうがやりやすい。
なので、業者としてバラを敬遠するというのはなんとなく理解できます。
が、一番悩んでいるのはお供えの花をオーダーしに来たお客さん。
バラは入れちゃいけないと刷り込まれてしまって、「バラ入れないで」とオーダーする方は一定数います。
もちろん、暑い時期などはバラはもたないので入れないというのはアリですが、故人が好きだったけど「バラはダメ」と思い込んでいるのなら、ちょっと気の毒。
最初に書いた通り、ホントに棘の問題なら、花屋では棘はとってるので問題ないし、好きな花を供えられないもっともな理由がないのなら、バラでもなんでもいいのです。
今は、故人の好きだったお花を飾るという花葬儀というジャンルもあります。
そこでは、真っ赤なグロリオサや鮮やかなダリアや陽気なヒマワリを華やかに飾ってお見送りをする方も多いそうです。
つまり、タブーとは、利害関係がもとになっている場合と、周囲の目を気にする場合と、そもそもの部分を知ろうとしないところから生じているので、こだわるならやめればいいし、こだわらないなら使ってOKというものなんです。
納得できる理由がないんだけど、なんとなく慣習としていわれているものってよくあります。
お供えのバラもその一つというわけで、同調圧力を気にしなくてもいい環境なら好きな花をお供えしてあげてください^^