値上げ大賛成⁉~クオリティを落とさない販売とは~
先日いただいた質問です。
「運賃や資材が値上がりしましたが、今までのクオリティをそのままに利益を確保するにはどうすればいいのでしょうか」
答えは「同じように値上げするべき」です。
理由のある値上げはするべき
「え?そんなことしたらお客さんが困るんじゃないの?」
「客離れしそうで怖い」
「値上げする勇気がない」
などの声が聞こえてきそうですが、思い切って運賃や資材の値上がり分は値上げするべきです。
だって、クオリティは落としたくないわけですから。
今だけを考えると躊躇しちゃうけど。。
今までの単価で値上がり分を受け持つとなると、商品の原価率が上がり利益は薄くなる。
利益率をそのままにすれば商品原価を下げなくてはならず、花の数、品質、等級などを下げなくてはなりません。
ここでもし、値上げはせずに利益を少なくして販売する道を選んだとします。
その差額、1年たつといくらになるでしょう。
例えば、アレンジを送料込みで販売していた場合。
送料が今まで600円だったのが700円になったとします。
差額は100円。
1日10件の出荷があるとして、1年で3650個。
ということは、365,000円の差額になります。
大きくないですか?
送料だけでなく、資材の値上がり分も考えると500,000円くらいの差額になりそうです。
送料別で販売している場合は、単純に運賃が上がったのでということでいいと思います。
ここを遠慮して、今まで600円別途送料だったのが700円になったけど今まで通り600円で配送する。
となると、同じように年間で考えたら大きな金額を負担することになってしまいます。
気にしている相手は誰?
そうはいっても、やはり昔からのお客さんもいるので値上げは心苦しい。。
と思っているかもしれませんね。
では、値上げをしないメリットを考えてみましょう。
。。。といいましたが、考えつきません。
ごめん。
値上げといっても運賃と資材の値上がり分さえ乗せることができれば、商品のクオリティは変えなくても大丈夫ですよね。
運賃と資材の値上がり分、いくらですか?
たぶん100円~300円というところではないでしょうか。
逆に、100円~300円の値上がりを嫌がって店を変えてしまうお客さんは上客とは言えないかもしれません。
同じ商品が1000円も理由もなくアップしたとか、倍の値段になったというのであれば、そりゃ、私だって別の店で買うようになると思います。
が、なじみの店でどうしても仕方のない理由で少しばかり値上げをするというのなら、理解もできるし納得もします。
それに、クオリティやテイストにこだわる店とは相性がある。
気に入った店なら理解できる理由があれば少しぐらいの値上げは気になりません。
お客さんてそういうものだと思いませんか?
値上げを考えたとき、一番のネックは店側の忖度なんです。
「来てくれなくなったらどうしよう」
100円~300円の実質値上げで悩むことではないです。
だって運賃や資材が上がったんですから。
案外誰も気にしていないかも
店として大切なのは、クオリティを落とさずテイストを変えないこと。
あなたの店のお客さんは決して値段だけで買いに来ているわけではないはずです。
あなたが気持ちよく無理せずお客さんに今まで通り質のいい花をお届けするには、「売れば売るだけ利益が減っている。。」と負担に思わないことが大切ではないでしょうか。
あともうひとつ。
値上げをした直後は、自分もお客さんも値段について反応しますが1か月2か月たってみると、まるでなかったかのように普通になっています。
あ、あともうひとつ。
運賃や資材が上がったのはあなたの店だけではありません。
もちろん花業界だけでもありません。
すべての業界が経験していることです。
ということは、お客さんもあなたの店をピンポイントで「高くなったわね~」とは言わないはず。
経済評論家の三橋貴明さんが言ってました。
「値段が低いことは決していいことではありません。それが誰かの給料に反映し、まわりまわって自分の所得にも関係してくるのですから」と。
流通という経済の要の部分が値上がりするということは、すべての商品の価格がベースアップしてもおかしくないです。
していないところは無理をしているか、知恵を絞っているか、スケールメリットで対応しているか。
個人の店ではスケールメリットはほとんどない。
だから、知恵を絞るか、無理せずその分値上げをするか。
知恵を絞る話はまたそのうち書きますが、まずは店の負担にならないよう考えてみてはいかがでしょう~^^
まとめ
*一方的に負担を感じないことが大切
*何よりもクオリティを落とさないことが肝要
*お客さんはそのうち忘れる
*値段で動かないお客さんが残る
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花の生命力が流れ込む~~~^^
コメントありがとございます。
値段で比較されるよりも、その店ならではの魅力によってお客さんに選ばれなくてはだんだんつらい状況になってくると思います。
店舗の価値なのか、商品の価値なのか、経営者、スタッフなど人による価値なのか。
むつかしそうですが、考えてみると結構いろいろ出てきそうですよね。
出てきたアイデアを実践していくのは多少時間がかかるかもしれませんが、かけた時間だけの結果は必ず出そうな気がします。
価格設定は悩むところではありますが、安売りだけは避けなくてはならないなと思っています。
お元気でご活躍の様子、何よりです。
ブログ拝読させていただきました。
物の価格に対するお客さんの感じることは素直な気持ちだと思います。物の価格が安い、高いはその物の価値を表しているものだと思います。すなわち、”価値のあるものは高い”のだと。
例えば、歌舞伎は何年もの歴史を背負って今の時代まで継続して日本の文化を継承しています。他にはない価値があります。
喫茶店でも料亭でもそうです。他にない価値があるから高いお店はそれ相応の価値が多いのだと思います。
お花屋さんでも同じだと思います。
店内の清掃から品物の展示、雰囲気、品物自体の価値(新鮮さ、希少価値、美しさ 等々) どこにも無い価値がそのお店にあればお客さんも納得するし、そこにしかなければ 遭遇できない価値を求めてそのお店に行かざるを得ないと思います。
私の”椿油”や”椿露”にもすこしでもこのような価値をもたせようとおもいつつ販売しています。
プロ野球のCS戦をハラハラしながらTVで見ている今日この頃す。
進藤丈典