植物仲間インタビュー企画*広島編~「竹原葬祭」福本博之さん~
「植物仲間インタビュー企画」は、植物をキーワードにさまざまな活動をされている方々に、ご自身の経験をお話いただくという内容です。
詳しくはこちら→「about植物仲間インタビュー企画」
広島空港からほど近いところにある竹原市。
レトロな街並みが情緒を感じる素敵なところでした。
その竹原市で「竹原葬祭」を営む福本博之さんは、ビジネスを盛り上げていくためにはまず街づくりからという意識で様々な活動に取り組んでいます。
メインとなるビジネスをもちつつ、沢山のアンテナを巡らして有益なものを取り込んで発展させていくという考え方は、花屋という小規模小売りビジネスにも応用が利きそうです。
変化し続けることが大切
葬祭業の他、まちづくりの会社やマルシェ活動、ドローンによる空撮などなど、さらに、現在大学院生でもあるという福本さん。
お父様が創業した会社を引き継ぐ形で東京からUターンしたのが32歳の時。
以来10年近く、単純に引き継ぐのではなく現状の沈滞感をどうすれば打破し、自分のビジネスだけでなく街全体が活気づくようになるのかを考えて取り組んできました。
現状維持は下降していく
①今の仕事を始めたきっかけは?
25,6年前に父が創業しましたが、10年前に他界したためです。
②前職は何をなさっていましたか?
東京でクラリオンのマーケティング職を10年やっていました。
③何歳で開業しましたか?
戻ってきたのが32歳で現在41歳です。
④スタッフの数は何人ですか?
常時7~8人で、必要に応じて派遣の方に来ていただいています。
⑤お店(会社)のウリ、特徴は?
自社で花を仕入れて用意しているのでお客さまのニーズに応じて細かく対応ができることです。
以前花屋さんと組もうとしましたが、ちょっとこちらの意図が伝わらず自社で対応することにしました。
その結果、装花も自社でやっているのでかえってきめ細かな対応ができることになりました。
⑥今までで一番心に残っていることは?
けっして規模は大きくないのですが、残された家族の方々みなさんの心がこもった理想のお葬式をおまかせいただいたことです。
⑦挫折はありましたか?
挫折はないですね。
何か困難なことやトラブルに遭遇したらまず、方法を考えて行動するので結果的に解決することになっていくからです。
強いていえば、こちらに戻って自分のやりたい方法で業務をしようとしたところ、自分の考えとのギャップが大きくてスタッフがついてこれなくなったときでしょうか。
⑧どう乗り越えましたか?
常にアンテナをはって、それを社内にしっかりフィードバックしていくことでギャップはなくなりました。
⑨花卉業界についてご意見をお聞かせ下さい
一言で言えば「ゆでガエル状態」ですね。
現状維持ばかりで需要を掘り起こしていないと思います。
常に「このままでいいのか、どうすればもっとよくなるのか」を考えて実践していかないと、業績の悪化という実感が、最初はそれほど感じていなくてもそのうち「このままではまずい!」と気づいたときには、すでに手遅れになっているおそれが。
今にこだわるばかりより小さなことでもチャレンジしていくことが必要じゃないかと思います。
⑩ご自身の花の仕事について、今後の展開をお聞かせ下さい
葬祭業は街全体が元気なことで成り立っているビジネスです。
そのため、長期的なスパンで竹原の街づくりやコミュニケーション力を高めようといろんな活動をしながらアピールしています。
そのひとつとして、もっと花を生活に取り込むことができればいいなと。
たとえば、竹原の古民家を使った宿をつくって花を常に飾ったり、カフェで花の飾り方を体験してもらうなど、普通の生活に生花をあたりまえにとりこんでいるというベースが構築できれば、葬祭の時にも自然に生花を選んでくれるということになると思うのです。
生花は水替えや世話などケアが欠かせないため、どうしてもハードルが高いと思われがちです。
しかし、それを面倒だと思わずに楽しいと思えるような生活の基盤ができれば街の感度も上がり、竹原という街の格も上がっていくと思っています。
そのために、常設でいい感じの花屋をつくることも考えています。
センスのいい花屋が身近にあって、そのディスプレイや花の種類などに日々接していたら、自然と感覚が磨かれていくと思うからです。
⑪趣味や夢中になっていることはありますか?
新しいもの好きなので、今はドローンにはまっています。
⑫座右の銘、または好きな言葉を教えて下さい
「変化できるものが生き残る」byダーウィン
⑬ご自身が実践している健康管理を教えて下さい
糖質オフです。
これでかなりダイエットできました。
⑭ひと月で自分の時間はどのくらい確保できますか?
運転中が自分だけで考えることができる時間になるのでいろいろです。
運転しながら考えていると、いろんなアイデアが浮かんできます。
⑮ご自身の経験から、花の仕事をしている方へアドバイスをいただけますか?
今のままではだめだと思います。
このままでいいのか?という自問が必要で、なにもしなくてもそこにある市場ではなく、掘り起こして育てていくというプロセスをつくっていくことが重要なのではないでしょうか。
インタビューを終えて
以前福本さんのご活躍を教えていただいてHPやFBを拝見していると、葬祭業という枠を超えて様々な活動をされていることに新鮮さを覚えました。
で、チャンスがあったら是非お話を伺いたいなと思っていたので今回はとっても楽しい時間を過ごさせていただきました。
大企業でマーケティング職に就いていたということもあって、ご実家に戻られてからもその取り組み方は非常に理にかなった方法だなと。
印象に残っている言葉は「小さくていいんです」ということ。
小さいからこそ小回りもきき、アンテナもはりやすく、行動にも移しやすい。
これは、本当にそう思います。
お話を伺った場所は、会社に隣接するコワーキングスペースでした。
自ら秘密基地と話す通り、地元の方々とコミュニケーションをとりながら竹原のこれからを考えていくアジトをちゃんと設けていることに、本気で取り組んでいる感覚が伝わってきました。
花屋はほとんどが小さな小売店。
小さいことをあきらめの種にするのか、変化の種にしていくのかで結果は大きく変わってきます。
福本さんからは変化し続けていくことでまわりも巻き込んで良くなっていくんだということを教わりました。
お忙しい中、本当に有り難うございました!
店舗情報
「有限会社 竹原葬祭」
代表取締役 福本博之
〒725-0021
広島県竹原市竹原町4189-3
0120-320904
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