2017/12/15
都市農業を支える!練馬区農の学校~「アゴラ造園株式会社」長嶺利樹さん~
今回の植物仲間インタビュー企画は、練馬区の「農の学校」。
年々深刻化する農家の人手不足や高齢化は、いたるところで問題になっている悩みですが、練馬区では農業に興味のある一般の人を育成し農家を応援する(援農)というしくみを作って活動しています。
練馬区から業務を受託して携わっている「アゴラ造園株式会社」の長嶺さんにいろいろお話を伺いました。
長嶺さん
練馬の春日町駅から徒歩10分ぐらい。
環八通り沿いにてくてく歩いて住宅街へちょっと入ると、そこに「農の学校」が。
きれいに管理された農地に、ブロッコリーや大根などよく見かける野菜が。
え?これを一般の人が作ったんですか?と思うくらい立派な野菜が育ってました。
「農の学校」がスタートしたのは3年前。
こちらでは、区民が区内業業者の指導を受け農家が実際にやっているのと同じ方法で野菜作りをします。
じゃないと、サポーターとして援農に行ったときに手伝うことができないから。
なので、プロではないとはいっても育った野菜は本格的。
すぐにでも店頭に出せそうな感じです。
中級コースでは土づくりから種まき、そしてうねたてから管理、収穫まで、1年間で実技20回、座学3回、実習3回と農業をしっかり学ぶ課程が用意されています。
その後はサポーターを必要としている農家にマッチングを支援し、お互いに協力し合うことで練馬の都市農業を支えていくわけです。
あっ、江戸東京野菜って聞いたことある。
こちらでは、区民の方を募り9月から12月の期間4回でつくっているとのこと。
亀戸大根や馬込三寸人参や芯とり菜、ごせき晩生小松菜、そしてもちろん、練馬大根も。
固定種とか伝統野菜とか言われていて同じ地域で代々種を取って育てる野菜です。
大きなスーパーの野菜売り場では、江戸東京野菜や京野菜のコーナーを設けているので割と名前は知ってましたがあまり食べたことないなぁ。
。。と思っていたら馬込三寸人参を抜かせていただくことに。
サクッと抜けて、おおっ!土の感触が気持ちいい~。
あとでスライスしたのをいただいたら、甘い!
懐かしい人参の味と甘みがあいまって、おいしい。
生ではあまり食べないらしいのですが、私は生のままのあの味、好きですね~。
ところで、「農の学校」の隣にも同じように野菜を作っている畑が。
こちらはねりま農サポーターが援農活動で野菜作りをしていて1ブロック4~5人で野菜を育てているとのこと。
家庭菜園ぽい感じがしなくもないですがきれいに畝を立てているので雑然感はないですね。
珍しいもの発見。
パッションフルーツが実ってました。
12月の寒い季節にこんなに青々と、しかも実がたくさんついて。
南国のフルーツなのに路地栽培で育つんですね!
ぐるっと農園をめぐって、事務所へ入ると収穫した野菜を使ってつくったおひたしと漬物を出してくださいました。
おひたしは芯とり菜、漬物は三河島菜。
美味しくてたくさんいただいてしまいました^^
作ってくださったのは開校時から一緒に活動を続けている、近くの民間貸農園、みやもとファームの皆さん。
いろんな方のノウハウやスキルや気持ちがあってこそ支えられる都市農業ということが理解できます。
「2020年に多くの生産緑地が指定を受けた期限を迎えます。」
その時に農地が宅地になってしまうと、もう農地として野菜を作ることはできなくなり緑が減ってしまうと懸念する長嶺さん。
行政、市民、農業者、企業が一体となって皆が参加できる街づくりとして、育てて、販売して、楽しめる循環した緑地活用ができるのが理想とのことでした。
インタビューを終えて
この取材の翌日は修了式があるとのこと、準備の忙しい時にお邪魔したにもかかわらずいろいろなお話をしてくださり、本当にありがとうございました。
長嶺さんとは、先日のまちなか緑化交流会で取り組みを発表されたのがきっかけで、ぜひお話を伺いたいなと思ってインタビューを申し込んだのでした。
「農の学校」は初耳でしたし、練馬だけでなくいろんなところで都市農業の発展について取り組んでいるということも知らず。
お話を伺っているうちに、「あ、国分寺もそういえばやってるな」と気づいたけど、要するにその程度。
普段何気なく食べている野菜や目にする緑の風景が、様々な取り組みの末にもたらされているのだと改めて気づかされた一日でした。
寒い中、長時間にわたり長嶺さんはじめ皆様本当にありがとうございました!
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