2021/06/250 Shares

これからの小売~仲卸価格がスタンダードに~

父の日が近くなりました。

数年前はモールでのフラワージャンルのランキング、この時期はヒマワリのアレンジメントが上位に来ていたのですが、今年はおとなしいですね。

ちらほらとランキングにフラワーアレンジが出てきますが、そのほかは人口芝生やバラの苗とか生花とは別のモノ。

とはいえ注文が全くないのかというとそうではなくて、うちでいえば従来通り母の日の10%の受注数をキープしてます。

モールのランキングだけでなく、いろんな小売業界の話題を調べていると去年から続くマーケットの縮小によって、これからどんどん加速していくだろうなと予想できることがあります。

それは、購入価格のの仲卸化

つまり、今まで小売業者が仕入れていた仲卸価格が、エンドユーザー、つまりお客さんの購入価格になっていくというものです。

もちろん今までも薄利多売で提供する店や、大型店での束販売などはありましたが、一般の消費者にしてみたらちょっと不便な場所にあったり、種類に満足できなかったり、喜んでそこで常に買いたいと思われるような形態ではありませんでした。

安いから、近いから、ついでがあるから、という理由がまずあって、そこで買いたいからという理由ではなかった。

ところがそんなこともおそらく数年でなくなるのでは。

理由1*ユニクロ東京店など異業種大型店の成功

以前記事にもしましたが、ユニクロ東京店の生花販売は半端なく実績が上がり続けています。

異業種の大型店と生花販売のコラボでの成功事例ができあがると、大きな会社ほどその展開のスピードは速くなります

ユニクロ以外ではコストコでも販売数が増えているし、異業種でなくても体力のある大型店が出しているカジュアルフラワーショップでは、手をかけずに売る花の価格は下げています。

理由2*消費者の価格慣れ

まだまだ数が少なかったり、利便性に問題があるとはいえ、安いところにわざわざいく人は一定数います。

そしてその人たちの標準価格はそこで買って満足した価格になる

たとえば少し遠いところにある大型店で花屋さんの半額で花を買って満足したら、近所の花屋さんで買うとなると「高い」と感じてしまうのではないでしょうか。

もちろん品質、品数などで差は出ると思いますが、お客さんの目安はまずは価格です。

安くてそこそこ満足した経験を持つ人が増えてくると、時間が経てばその基準がスタンダードになっていくのは火を見るより明らかです。

理由3*生花小売店のスタンスがあいまい

これまでは生花店=花を売る店でした。当然ですが。

10年ほど前まではそのスタンスで普通に成り立っていたと思いますが、もし、そのままの感覚で経営していくとしたらかなり厳しくなると思います。

なぜなら、上記二つの理由により、お客さんの購入金額の感覚が変化する割合がもっと加速していき、それと同時に、花に新しい価値観とビジネスチャンスを見出した異業種大手の参入も加速していくからです。

つまり、花屋さんでわざわざ買う理由が見いだせないとお客さんは離れていってしまうということになる。

ここで大事なのが、花屋さんの立ち位置です。

お客さんにとってどういう花屋なのか、何をしてくれるのか、どんな満足感があるのか、を、わかりやすくシンプルに提示できないあいまいな店だと、同じような品質や品ぞろえなら当然安いほうで買います。

簡単に3つの理由をあげてみましたが、おそらく皆さんもうすうす気づいておられたのではないでしょうか。

もちろん、こういった流れはすぐに起こることではありません。

でも、前から読もうと思えば読めていたことですよね。

だから、数年後はそうなっていることでもあるわけです。

対策は一つ

花屋さんとしてこれから存在していくために一番必要なのは専門性です。

専門性というのは、素人ができないコトができるということです。

花の扱いはもちろん専門性が必要です。

でも、今は生産時点からかなり改良されているので昔のように事細かな水揚げの技術は必要なくなっていますね。

フラワーアレンジやブーケの技術は明らかに専門性が必要です。

ただ、そこはどの花屋さんでもできますので差別化や強みやブランディングにはなりません。

自分の店が優っているところを思いっきり伸ばすことが、大きな強みとなりお客さんにとってわかりやすい専門店となります。

もうひとつ、これからもっと進んでいくと感じているのはデザイン料の加算です。

花屋さんで手をかけずに買う花は仲卸価格というか、安い価格で販売していて、アレンジやブーケなどギフト用に手をかけて作成するものには、使用した花の価格+デザイン料として販売するという形式です。

すでにそのような形で販売している店は存在しますね。

いやいや、うちは町の気さくな花屋としてやっていく、というのももちろんありです。

その場合は花という商品だけでなく、コミュニケーション力や知識力がポイントになってきます。

これも専門性のひとつです。

いずれにせよ時代や情勢や人の感覚の流れはどんどん変化していくし、それはすでに進んでいるのに、自分だけは変化しなくても大丈夫と思っているなら、それはかなりお金持ちなのか、不勉強なのか、恐れているのか、いずれかかと。

失敗はないです。

まちがったりまずいなと思ったらやり直せばいいし、その分経験値が増えていき判断力がついてきます。

トライアンドエラーを繰り返すことができるのも自営のの醍醐味^^


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