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東信「花のない花屋」~常識にとらわれないのは強みですね~

 

SONY DSC

東信さんといえば、花の在庫を置かず受注後そのオーダーのために仕入れをして作品を仕上げるフラワーアーチストとして有名ですね。

先日、朝日新聞デジタルで「花のない花屋」という連載をしていることを知り、見てみました。

読者から個人のエピソードを募り、その内容を東さんが解釈して花束やアレンジを作るというもの。
どれも東ワールドの密度の濃い作品で、好き嫌いはあると思いますが私は結構好きな感じ。

今回考えてみたのは、東さんの花が素敵かどうかということではなく彼がどのように唯一無二の存在として成功しているのかということです。

プロフィールを見るとバンドを志して上京し、市場でバイトをしているうちに花の美しさに目覚めてフラワーアーチストになったとのこと。

思いのほか普通の経路をたどっているんですね(笑)

で、なぜそこからこうして世界中から注目されるアーティストになったのかということなのですが、私は東さんの感性もさることながら、それを写真として表現し続けているパートナー、椎木俊介さんの存在がかなり大きいと思いました。

花の世界で感性の高い人はたくさんいますが、それをビジュアルとして世間に広く知らしめていける人は少ないです。
今まで花の世界で有名になってフラワーアーチストとして成功した方々は、みなさん本という媒体を通じて広まっています。

例えばバブルのころの高橋永順さん。
終わりのころにはご自分で写真を撮っていましたが、花の仕事を始めたころはカメラマンのご主人が撮影して本にまとめていました。

本を出版すれば成功するのかと言えばもちろんそうではなく、そこに何か意表を突くような目新しさや上手に表現した言葉が必要です。
今回の東さんは花を仕入れていないという「花のない花屋」というキャッチが非常にインパクト強いですし、店を表参道に開いているというのも非常に戦略的な上手さを感じます。

小売りの店ではなくフラワーアーチストとして活動するなら、東京で発信の中心地が一番早いしニーズもあります。
30年前のバブル期と比べたら非常にその規模が小さくなっていますが、今のようにみんなが派手なことをしなくなって買い控える気配のある時代に、東さんのようにこってりとたっぷりと花を使うというのもある意味目新しさなのかもしれません。

つまり、
なにがいいたいかというと、
成功するためには(成功の定義によっても違いますが、ここでは有名になりその名前で仕事を生むことができることとします)、独自感をアピールするための戦略が必要だということです。

ただ、才能があるから、資金があるから、人脈があるから、というだけでは弱いしそんな人たちはごろごろいます。
もっているものをどのような切り口で勝負に出るか。
平たく言えばブランディングということになりますが、業界で唯一無二の存在になるなら鋭い切り口のささる言葉とそれに耐えうるメンタルが大切かと。

中途半端な覚悟では常識破りの先駆者にはなれないし、もしなれてもすぐ「疲れた」とかいって方向転換してしまいます。
ていうか、常識破りの先駆者になる人は覚悟なんて必要ないくらい自分の中の衝動というか、そうしなければ生きていけないというくらいの強い気持ちがあるんだと思います。

ただ、じゃあ、常識破りって何なの?ってことなのですが、常識自体がコロコロと時代とともに変わるのでとりあえず現在の普通を否定してみるってことでしょうか。

「花のない花屋」は今はオンリーワンかもしれませんが、そのうち増えてきそうだし10年後には普通になっているかもしれません。
「花を売らない花屋」というのも考えたことがありますが、これだって提案している人が出てきています。

10年後、20年後、花屋には花がないのが普通になったら今のように花を並べる花屋の方が常識破りになるかもしれず、(受注してから仕入れをするという形態でなくても、もっとオーダーシステムがすすんでいて花を置く必要すらなくなっているかもしれません。)さらに、花というものがもっと特別なものになり、家に飾るものはひたすら本物に近いバーチャルフラワーになっているかもしれません。

いずれにせよ、時代に合わせていたら先駆者にはなれず、かといって時代が追いつかなければニーズはない。
ちょうどよく今の時代の常識をちょっと破ってみるくらいのことが受け入れられやすいのかもしれませんね^^
(それをアーチストと呼ぶかどうかは別として)

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