2018/01/310 Shares

花の都プロジジェクトシンポジウムに行ってきました~夏花の定着へ~

本日渋谷のSYDホールで開催された「花の都プロジェクトシンポジウム」に行ってきました。

サブタイトルは~花で街を彩る取り組みを2020年東京大会のレガシーに~。

その名の通り、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みです。

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会場に入ると、ん?
これは何?

フラワーメリーゴーランド?

きっと中で説明あるよね、ということで会場へ。

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そもそも、このシンポジウムを知ったのは、以前フラワーサミットで知り合った「株式会社お花がかり」の竹谷仁志さんのフェイスブックでした。

興味のある内容だったので、即、参加申し込みをしたというわけです。

とてもいいお話をしてくれた竹谷さんの講演をメインにお知らせしますね。

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2020年の東京オリンピック・パラリンピックを花いっぱいの街で盛り上げるための取り組みを話してくださいました。

2020年の東京大会開催時期は夏。
湿度も高いし夜も気温が下がらない、東京独特の夏場に一定期間きれいな状態で咲き続ける花壇を作るには。。

しかも、局地的ではなく東京自体が花いっぱいの街だと観光客にも喜んでもらえるような花壇を作るには。。

冷房した室内で切り花を飾っていても夏はすぐ元気がなくなるのですから、ましてや炎天下の環境で、いくら根っこがついているとはいえ残念な状態になっている花壇はよく見かけていました。

過酷な夏に負けない花を

そんな中、7月末から9月の初めまで約1か月あまり常に美しく花が咲いている状態にするには試行錯誤の繰り返しだったそうです。

竹谷さん「よく、暑い国の花や砂漠の花を植えればいいじゃないかといわれますが、そういう地域は夜は気温が下がるんです」

単純に、暑い時なら暑い地域の花を植えればオッケー♪と思いがちですが、そんな簡単なことではありません。

竹谷さん「花がきれいに咲くには夜の気温が25度以下になることが必要ですが、東京の熱帯夜は平気で30度だったりします」

そこで、2013年、東京でのオリンピック、パラリンピック開催決定以降、花仲間有志で「TOKYO夏花・夏花壇を作ろう!プロジェクト」を立ち上げ、東京の夏に耐えられる花を研究してきたのです。

トライアンドエラーの繰り返し

実際に、竹谷さんの会社、お花がかりが担当する六本木ヒルズなどの都心の花壇を中心に夏花トライアルを実施。

やっているうちに、夏花の強敵は気温だけでなく、日照時間や強烈なビル風、ゲリラ豪雨、昆虫や鳥による食害などなど、次々問題が。

厄介なのは、都会の地面というものはそもそも地球に接していないこと。
つまり、地価を掘って基盤を構築し、その上に建物を建てて街を作っているいわゆる人口地盤のため、土地が含む水分量が本来の土地と違って少ないのです。

数々の問題をクリアしていくために、これまで東京大会開催期間と同じ時期に2回の審査を実施。
花研究者、園芸家、市場、販売、仲卸、ガーデンデザイナー、建設コンサルタント、など異なる立場の専門家の視点で評価し、フィードバックを重ねていきました。

その結果、「夏花による緑化マニュアル」を作成し東京都農林総合研究センターHPで公開も。

様々なトライアンドエラーを繰り返しながら、今では花き産地間連携生産協議会へ発展していき、東京および都市近郊の花農家や全国の花農家との生産連携のトライアルを進めています。

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ご自身の会社、お花がかりは六本木ヒルズなど都会の四季を彩る「東京発花と緑の地産地消プロジェクト」を手掛けています。
(地域の人のボランティアでやっているお手入れ活動の楽しい様子は上記リンクをご覧ください)

東京の農地(生産緑地)は1か月で六本木ヒルズと同じ面積が消失しているとのこと。
お花がかりは都市の貴重な緑の一翼を担う農業の継承を、花壇として楽しみながら応援しているのでした。

お話を聞きながら、切り花の世界も同じだなと。

若い人が花を飾らなくなってきているのでどうしてもこの先の花需要が低下してくる。
となると、今まで花を作っていた農家も少なくなる。
あ、花屋もね。

2020年を花需要大のきっかけに

花がない生活や環境って考えるだけでも味気ないです。
メンタル的にもいい影響はないし、無機質な環境では人と人との関係もぎすぎすしてきそう。

2020年の東京大会は確かに花のプロジェクトとして大きなものですが、それをきっかけとして夏場に花が美しく咲く状態が維持できれば、その後の花需要に大きな変化が期待されます。

現に、花の取り組みをした前の東京大会は秋開催だったので、10月10日を機に日本の秋は花の季節となったほどオリンピック、パラリンピックは影響力があるのです。

今までは春と秋の2シーズンが花壇のメインでしたが、夏も同じように盛んになると種苗、生産、流通、販売、施工などかかわるすべての分野の底上げにもなりますね!
期待してます!

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東京都の中でも台東区と葛飾区は花でのおもてなしプロジェクトを推進しています。

観光のメッカ、浅草ではハンギングバスケットを商店街の方々が管理して取り組んでいるとのことでした。

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こちらは葛飾区。

入り口のパネルにあったのはこれですね。

フラワーメリーゴーランド。

立体的な花壇として葛飾区が開発したもので、自動給水ができて、花の部分は360度回転するのでまんべんなく日に当てることができるそうです。

亀有駅前の放置自転車対策から発案されたもので、駅に設置したことによって放置自転車が減って環境が良くなったとのことです。
やはり、きれいな環境にはすさみが感じられないから治安もよくなっていくかもしれませんね。

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ハンギングバスケットはいわゆる立体花壇。

一般社団法人日本ハンギングバスケット協会の上田奈美さんが講演してくださいました。

平面だけでなく立体的な花空間を作るために欠かせないアイテムです。

こちらもやはり夏の暑さに負けない花でつくったハンギングバスケットを、ロンドンオリンピック開催期間に合わせた夏の期間に展示するというトライアルをしたり、都内、酷暑の中での生育状況を調査してメンテナンスしながら2020年に向かって試行錯誤をしています。

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新しい飾り方もいいですね。

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最後に講演した皆さんによるパネルディスカッションが。

いろいろなデータも提示してくれて、とてもためになる内容でした。

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今回のように「フラワービジネス研究会」として分野を超えて植物関係の方々とご縁ができていますが、改めてこの世界は広いなと感じています。
今はそれぞれが独立した形で存在しているような感じですが、そのうちお互いに協力し合えるような関係ができていくんじゃないかなという予感も。

まだ具体的にどうこうというタイミングではありませんが、せめてこうした体験報告が皆様のお役に立てればいいなと思うこの頃でございます^^

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