モノからコトへ*販売の進化論
ネットがまだないときはモノをいかに流通させるかで、売り上げや利益が違ってきていました。
わたしも最初の店をオープンした後、3年後、5年後、7年後と立て続けに店舗を出して流通量を大きくしていった経験が。
そのころは売り上げを伸ばす=物量、みたいな感覚が普通で、しかもマーケットも拡大傾向にあったので出店を増やしても需要はそれに伴って伸びていた。
ただ、2000年あたりから徐々に流通の拡大して売り上げを伸ばしても、利益がそれに比例して伸びるという感覚が薄くなっていきました。
原因は物量の増加=人件費の増加+賃貸料の増加。
粗利がいい商品とはいえ、固定費や必要経費が膨らむのはかなりしんどい。
結局わたし自身が多店舗展開など組織力が必要な経営は無理!と気が付いて縮小していき今ではヤフーショッピングでのネット通販のみに。
そんな変遷を経験して、これからのことを考えたとき、これからはもっともっとモノの流通というよりも、コトの需要の方が大きくなると確信しています。
つまり、物販はなくなることはないけれどモノの価値だけでは利益につながらないということ。
同じ花を販売していても、花というモノで商品づくりをしていたら価格の安いほうが有利です。
大手は薄利多売でもやっていけますが、ほとんどの店はそんなことしたら自分の首を絞めるだけ。
ならどうすれば。
しっかり利益を見込んだ単価設定をしても買ってもらえるような商品販売が必要になります。
同じフラワーアレンジでも「なんか違う」「雰囲気がいい」「プレゼントしたくなる」みたいな、気持ちにさせることが必要です。
つまり付加価値ってやつですが、それをモノで追加するのではなく、見えないモノ、つまりコト、で追加する。
それはどのようにその先にいるお客さまをイメージできるかどうかにかかっています。
ついつい自分目線で商品を作りがちですが、本当に選んでいただける商品、そしてリピートしていただける商品は満足度に比例します。
ボリューム感や価格といったわかりやすい満足感は結局ほかの店でも対応できるのでリピート要因には弱いんです。
商品以外でお客さまへアプローチできるコト。
手入れ情報だったり、季節の豆知識だったり、お店のあれこれだったり、独自のサービス情報だったり、いろいろ考えられますが、共通しているのはこれを続けるとリピート率は確実に高くなるということです。
もちろん努力は必要です。
やったからといってすぐに結果が出るとも限りません。
でも、広告費を使わずリピート率を上げて利益体質にしていくためには、めんどくさいことをコツコツやるしかないんですよね^^