2018/02/22
サービスの行きつくところ~たとえば花屋の場合~
小売りに限らずビジネスでは、商品の質、量、ともに基準がある程度一定のレベルまで行くと、次に差別化するのはサービス部分になってきます。
今のように需要が少なくなっているにもかかわらず店舗数は多い、という何やらいびつな買い手市場になっている花卉業界では、ごく当然の接客内容をしっかり実践できていなければお客さんが離れていっても仕方がないかも。
顧客に対してわかりやすい商品説明ができているか、スムーズに注文ができてしっかりと届けることができるか、何かトラブルがあったときは速やかに対応ができるか、などなど。
その、当然のことができている店舗がさらに集客して売り上げを伸ばそうとすると、さらなるサービスが必要になってきます。
誰もができるサービスに競争力はなし
例えば送った花の画像を配信するとか、花の名前をお知らせするとか、クーポンを配布するとか、スタンプカードを作るとか、花のメンテナンスカードをつくるとか、お客さまが喜ぶようなことをサービスとしてやっている店は多く見受けられます。
こういったことはちょっと頑張ればどんな店だってできるサービスなので、意欲のある店はどんどん手掛けていきます。
お客さんが喜ぶことなのですからしたほうがいいのは当たり前ですもんね。
ただ、効果があるとわかればそのうちやる店が増えるだろうことは簡単にイメージできます。
となると、また頭一つ抜きん出ようと思うと更なるサービス、ベネフィットがなければわざわざ選んでいただける店にはなりません。
誰もが手掛けることができることは、最初に少しだけ先行者利益があったとしても時間がたてば特に差はなくなっていくし、もっとバージョンアップした店だってそのうち出てきます。
エンドレスサービスのスパイラルに注意
集客ができるとはいえサービスが増えるに伴い、時間やお金の経費はかかってきます。
売り上げが思うように伸びなければ、サービスばかりして利益が出なくて赤字になることだって考えられるし。
怖いのは、売り上げが少しでも落ちてくるとサービスが少ないのではないか、もっといろいろやれることはないかとあがいてしまうこと。
これ、値引き競争のスパイラルに感覚が似ている気がします。
ほかの店より安くして価格で集客すると、最初は繁盛しているかに見えても実際は利益が出ていないのでかなり無理をするようになる。
しかしいったん値引きで集客をしてしまうと元の値段に戻して売り続けることは厳しくなってくる。
買っていただけないというよりも、店のほうで「高くしたから売れなくなった」と思ってしまうから。
サービスも同じです。
いったん始めたサービスをやめるのはとても勇気が要ります。
売り上げが落ちたら「あのサービスをやめたから来てくれなくなった」と思ってしまう。
誰にも負けないサービスとは
先日同じものを同じ価格で同じ条件で購入したにもかかわらず、1回目と2回目では満足度が大きく違うという経験をしました。
ハードな部分は全く一緒なのに何?この違い?
1回目に接客してくれた、人は気が利いてかゆいところに手が届きすぎない程度に手が届く。
これかなりポイント高いです。
2回目に接客してくれた人は、マニュアル通りに接客していることがこちらにも伝わる感じで、しかも「~させていただく」という言葉をお金払うまでに20回くらい言ってちょっと耳障り。
丁寧だからいいとは限らないし(それってホントに丁寧なのかな?)・・これはやはり残念です。
接客はマンツーマンの仕事だから相性もあるけどやはり訓練も必要ですよね。
いやいや、小さい花屋で接客の訓練なんて必要ないよ。。と思うかもしれません。
でも、考えてみてください。
そこそこ品数をそろえておしゃれで素敵なアレンジを作る店なんて、いまさら競争力があるといえるかというと、疑問です。
人的魅力>サービス・価格
自分がお客だとして考えると、商品力がほぼほぼ同じであれば気持ちよくお金を払える店を選びます。
多少高くても満足感があればまったく問題はありません(あくまで適正価格の範囲内ですが)。
気持ちいい接客をされると、勧められたものをついでに買う率が高くなるので購買単価も上がるし。
そう考えると接客する人の魅力って店にとってサービスなんですよね。
特に規模の小さい店であればあるほど店の人の魅力というか、気持ちよさで売り上げがかわってくるはず。
サービスは店が投資として行うものですから店のスタッフ研修にお金をかけるのはアリかとおもいます。
もちろんコストをかけなくても、経営者がしっかり教育ができればそれはそれでいいと思います。
ただ、教育って気合や気持ちだけでは正直しんどいんですよね。
できればプロに技術を学んだほうが後々うまくいく。
何はともあれ、できる範囲でいろんなサービスを定着させたらそこから先は、サービスを増やすのではなく接客する人自身がサービス供給者になる。
これって、簡単なようで結構難しいと思うのですが、真剣に取り組めば店としてかなり利益体質になっていくかと^^
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